自然妊娠を期待して妊活をしているのに、妊娠しないと心配になってきます。
どのくらいで不妊症に当てはまるのか?自分が不妊の原因なのか、それともパートナーなのか。
不妊症の定義と、考えられている原因、不妊症の検査や治療についてご紹介します。自分が不妊症の人の特徴と比べてどうか、参考にしてみてください。
不妊症とは?その定義を確認
「不妊症」とは、そもそもどう定義されているのでしょうか。
通常、避妊をせずに定期的に性交をするカップルは80%が1年以内に妊娠すると言われています。
日本産科婦人科学会や世界保健機構(WHO)では「1年間の不妊期間を持つもの」が不妊症と定義されています。
1年間自然に妊娠しなかったので、なんらかの治療をしないと、それ以降自然に妊娠する可能性が低い状態ということです。
しかし、女性の年齢が40代に近い場合は自然妊娠の可能性がそれ以前より低くなるため、6ヶ月の不妊期間で早めに検査を受けた方が良いとされています。
不妊症の人の特徴はある?割合や原因は?
実際に、子供が欲しい健康な夫婦の1割以上の割合で不妊に悩んでいるといわれています。つまり10組に1組以上は不妊ということです。
女性の自然妊娠の望みがなくなる割合は、30歳代後半で30%、40歳以降では60%以上が難しくなり、割合は年齢とともに高くなります。
妊娠する体が女性のため、女性が不妊症の原因だと思って検査や治療に行くことが多いですが、実際には不妊の原因が男性にもある場合はおおよそ50%、半数近くとわかってきています。
男性は女性が妊活しても結果が出ないことがわかって、ようやく重い腰を上げて動く場合が多く、女性の年齢がどんどん高くなってしまう傾向があります。
では、不妊症の人には何か共通する特徴はあるのでしょうか?
不妊症の女の人の特徴は、
- 生理(月経)周期の異常
- 月経量・期間の異常
- 冷え性
- 人工妊娠中絶や流産の処置を受けたことがある
- 生理痛が年齢とともにひどくなっている
- 月経時に下痢する
- 性交時強い痛みがある
- 性感染症にかかったことがある
などがあげられます。
不妊症の原因になる男の人の特徴は
- 糖尿病
- 子どもの頃にがん等の治療をした
- 子どもの頃におたふく風邪で高熱が続いた
- 睾丸炎になったことがある
- 脊髄損傷
- 精子に異常がある(数に問題があったり、動いていなかったり
などがあげられます。
しかし、不妊症の原因は未だ全て明らかになっているわけではありません。
原因不明不妊は全不妊症の10~25%を占めるとされているのです。
不妊症 自分でできるチェック
早めに検査に行った方が良い、といわれても、いきなり病院へ行くのは抵抗があって、不安になるのが当然。ためらって決断するにも時間がかかります。
まず自分でできることをひとつずつチェックしていきましょう。先ほどの不妊症の女の人の特徴に当てはまる項目がある人は要注意ですので、専門家に相談した方が良いと言えます。
また、先ほどの特徴に当てはまらなくても、そもそもいつ頃自分が排卵するかわかっていないと、妊娠しやすい時を知ることができません。排卵日を把握することは不妊治療の基礎とも言えます。
自分でチェックする方法は、尿を用いた排卵検査薬や、唾液を用いた検査方法もあります。
男性のチェックツールとして、スマホで簡単にできる精子観察キットがあります。いきなり病院や他人に相談するのに抵抗がある男性は、まず自分で自宅で簡単にチェックすることができるのです。
- 精子の簡易測定キット「精子セルフチェック Seem」
- 精子検査キット「TENGA メンズルーペ 」
(あくまで個人観察用であり、医療行為、医療判定をするものではありません。)
精子の状態は体調や生活習慣などで変わるので、一度やって即断したり、思い込みで進まないよう、専門家へ相談することは大切です。
不妊症の検査はどうやって?
働いているカップルが不妊症の検査をするとなると、仕事とのスケジュール調整など考えなくてはいけません。男女それぞれ、不妊症の検査はどのくらい期間がかかるのでしょうか。
男性の検査は1日
女性の検査は最低1ヶ月
女性の検査にはかなりの時間を要することがわかります。
日本生殖医学会によると女性の検査は以下のようなものが挙げられます。
- 経膣超音波検査・・・子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症などの異常がないか確認(診察台に乗り超音波プローブを腟から挿入)
- 子宮卵管造影検査・・・子宮の形や卵管が閉塞していないかを見る検査(X線による透視)
- 血液検査・・・ホルモン検査や糖尿病など全身疾患に関係する検査
- 子宮鏡検査・・・卵が着床する場所を直接観察する検査
- 腹腔鏡検査・・・お腹にカメラを入れて観察する手術(子宮・卵巣をはじめとする骨盤内臓器の状態が確認)
- MRI検査・・・体の断面像を撮る検査(子宮や卵巣形態の詳細な情報を確認)
その人の状況や病院により検査内容は異なります。
男性の検査は以下のようなものがあります。
- 精液検査・・・精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無など
- 血液検査・・・男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)などを確認
- 染色体・遺伝子検査・・・染色体の軽微な変化や遺伝子異常が、精子形成障害の原因になっていることがある
不妊検査で完璧に原因がわかって、不妊治療で妊娠できるようになる、というわけではありません。
不妊検査で異常がなくてもなかなか妊娠しないカップルは少なくなく、原因不明のまま妊娠できない場合もあるのです。
不妊症の治療方法の種類とは
病院で不妊治療を始めた場合、主な方法は、
- タイミング法
- 人工授精
- 排卵誘発法
- 体外受精
- 顕微授精
などがあります。
しかし、前にも述べたとおり、不妊症の原因が明らかになっていない場合など、現在の西洋医学的不妊治療では有効な方法がない場合があります。
西洋医学的な不妊治療は、生殖機能に関する治療、つまり、男性の精子にまつわること、女性の卵子や子宮の機能に関する治療をおこなっていきます。しかし原因不明で妊娠に至らない人がいるのも確かです。
不妊治療は時間も、金銭的にも精神的にも影響を受けます。
長引く不妊治療による心身のストレスは大きいものです。その上、日々の仕事での疲れや、運動不足、冷え性で血行が悪い、バランスの崩れた食事、睡眠不足など、生活習慣を改めなければ、奇跡的に何もかもが突然良くなることはありません。
本当の根本治療は生活や食事の改善にあります。
食事療法による体の中からデトックスすることは、体質改善においてとても重要です。
“効果があるらしい”と聞いたものを、あれこれ取り入れることばかりに奔走していては、現在の自分のすでにある生活を改善することを忘れがちなものです。加工食品や添加物だらけの食品をやめてみる、など身体に良くないものを排除していくことからデトックスは始まります。
妊娠しやすい女性の身体づくり、男性の精子の状態も体調や生活習慣などで変わることを忘れないようにしましょう。
一般治療と並行して自分の体を整えることで治療期間を短縮につながり、精神的な消耗、金銭的な負担も抑えることができるはずです。
【まとめ】
子供が欲しい健康な夫婦の10組に1組以上は不妊といわれています。
30歳代後半の女性で30%、40歳以降では60%以上が自然妊娠が難しくなり、検査、不妊治療の中で孤独を感じる人は多いです。
不妊は女性だけの問題ではなく、不妊の原因の約50%近くが男性にもあることがわかってきています。男性にも精子のセルフチェックなどからはじめ、不妊を二人で取り組むことは大切で女性にとっても嬉しいことです。
治療をしながら、食事指導による体質改善を二人で取り組みたい方、冷え性体質を改善したい女性、温当院では無料相談を温桃院LINEまたはお問い合わせフォームから承っています。
様々な事情で定期的・継続的な来院が難しい場合は訪問ケアも可能な場合がありますので、お気軽にご相談ください。